足をつった

朝四時頃、不意な激痛で目が覚めた。寝ぼけ眼などという時は一瞬もなく、寸刻の思考も許されない痛みをふくらはぎに感じた。

──足をつったんだ!!

ふいに頭に思い浮かんだ。どうにかこの苦痛を止めようと爪先を身体側に曲げてみたりと悪戦苦闘してみるが、それに抗うかのようにさらに辛さは増した。
隣にいる恋人を起こそうとしたが、小さな呻き声しか出ない。両手はこれ以上酷くならないためにも足から離すことが出来ない。

── 止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!

徐々に限界が近づいてくる。(足をつった経験のあるものならある程度はわかるだろうが、足をつってから二度ほど波が来る予感がある)
ぴんっ、恐らく音で示すとこれが一番近い。波が来たのだ。