私の可愛い犬たち

はじめは手のひらに乗るくらいだった

小さな私が一目惚れした二人

散歩に行く時は姉弟揃って

おもちゃで遊ばずタオルで遊んだ

たくさんたくさん遊んだ

いつしか走らなくなった

 

生意気な君たち

寒い日はストーブを独占した

私の枕を奪って寝ていた

睡眠を邪魔すると唸ってきた

ご飯をあげて散歩をしているのは私なのに母にばかり懐いた

私のハムカツを盗み食いした

歯がどんどんなくなっていった

 

暖かい君たち

夏はお互いに邪魔くさそうにしていた

冬には冷たい体でズボンに入ってきた

撫でた先には君たちがいた

布団の上に重さを感じた

 

もういない黒犬へ

最後は会えなかった

会いたかった

いなくなった実感がないんだ

ずっとずっと もう何年か経ったのに

食いしん坊の君はいつしか痩せ細っていた

会いたくなかった

元気なままでいてくれると

もっと色んなことをしてあげたらと

私はまた遠くへ行く

また同じ後悔を繰り返す

 

茶犬へ

あの子が旅立って数年経った

小さい頃からずっといた君は寂しくないかと心配したけれど暴君になっていた

もう足腰も不自由で

歯も抜けて

一人では何もできない君は

それでもなお私の可愛い家族

きっと君の最後には会えない

きっと君の最後には会いたい

きっと会いに行くよ

 

夢をみる

今は亡き黒犬、君の姿を夢に見る

まだ私には信じられない

実家に帰ったら君がいるような気がする

もういないのに

ご飯を作っていたら君たちは台所を彷徨いた

落とし物をパトロールするんだ

未だにたまねぎを落としたらすぐに拾ってしまう

君たちのせいだよ

 

まだ茶犬は元気だよ

君たちが幸せだったらいいな

 

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